ヒプノシス(催眠)
想像は創作だが、記憶は事実だ。
自らの過去の記憶を振り返ることでしか、
人は自分自身と向き合うことができない。
もし本当の自分を知りたかったら、
あなたは過去の中へ入っていかなくてはならない。
そこには“かつて現在だったあなた”がいる。
今となってそれは“過去の自分”だが、少なくとも当時は“現在の自分”だった。
人は自らの行いの歴史を、自らの過去を想起すべきだ。
催眠の技法はそれを助けてくれる。
催眠は決して洗脳ではない。
過去の記憶は、あなたから判断力を奪ったりはしない。
ただし一つ注意点がある。
決して過去の中へ逃げ込んではいけない。
それは現実の、現在のあなたへの助けであるべきだ。
過去は逃げ込む場所ではない。
催眠状態にあるとき、
人は潜在意識の深みで本当の自分と出会う。
あなたは第三者として、その当時の自分を思い出す。
作り出すのではなく、思い出す。
そこに思い出の補正が入ってはならない。記憶は真正でなくてはならない。
慣れてくれば、記憶は芋蔓式に出てくる。
回数を重ねるごとに、その記憶はますますクリアーになっていく。
そこでより多くの発見と気付きが生まれるだろう。
過去を否定してはならない。
過去を否定するとき、あなたは自分自身のことも否定している。
蓋をして遠ざけてはならない。
そこには自然な姿のあなたがいるのだから。