「ヨーガ・瞑想 from 香川」

ヨーガ・瞑想・占星術などを香川県丸亀市から発信❗️

ヨーガ・スートラの「心の仕組み」

 

自らの思考、活動をただ見ていることができれば、

あなたはプルシャ(観照者)となっている。

もはや思考者でも、行為者でもない。

観照者でないとき、人は心と同化している。

心に同化している限り、人は苦しみの中にある。

心に同化しないこと、それがヨーガの目標だ。

活動には必ず心を伴う。

心が無ければ、あなたは何もできない。

話すことも、知ることも、誤ることも、考えることも、忘れることも、眠ることも、思い出すことも、覚えることもできない。

あらゆる能力は、心によって修得されるからだ。

そして、心には五つの基本機能がある。

「正知・倒錯・想像・睡眠・記憶」の五つである。

子供の発達を観察すればわかるように、

心は「睡眠→記憶→想像→倒錯→正知」の順番で発達していく。

誤った方針に沿って心が使われてしまうと、

それはあなたを苦痛・矛盾・対立・混乱・狂気へと導く。

では、それぞれの基本機能を紹介していく。

①正知

正知は「自明の能力」の中枢である。

この中枢が正しく機能すると、正しいものが直ちに明らかとなる。

考えなくても、思い出さなくても、直ちに真実がわかるようになる。

真実が直ちに明らかとなる以上、そこに選択の余地はない。

だからこそ、そこには迷いも悩みも生じ得ない。

瞑想は、最終的にこの中枢の開花へ繋がっていく。

この中枢が機能しない限り、あなたは混乱から脱け出せない。

②倒錯

倒錯は「誤る能力」の中枢である。

この中枢が作用する限り、あなたは間違いを犯し続ける。

物事をありのまま見ることができなくなる。

何を見ても、何を聞いても、あなたは誤解する運命にある。

まさに正知とは正反対の中枢である。

正知か倒錯か、どちらかの中枢が機能しない限り

悩みと迷い、つまり混乱が無くなることはない。

お酒を飲んで酔っ払うと、この中枢が作用し始める。

③想像

想像は「考える能力」の中枢である。

物事を生み出し、可能性を見出す。無い筈のものを作り出す。

芸術的な創作、科学的な発見はこの中枢によって成される。

しかし想像力の使い方を誤ると、気が狂ってしまう。

精神病棟に隔離されたくなければ、想像力の乱用は控えるべきだ。

そして、心は想像に従う。

あなた自身は、あなたの心が作り出した想像だ。

だからゴータマ・ブッダは言った。

「あなたは、あなたが想う通りの者である」と。

④睡眠

睡眠は「忘れる能力」の中枢である。

正しい睡眠は人に活力を与える。それは心の休息である。

一時的ではあるが、心は詰め込まれた知識から解放される。

活動は完全に停止し、心は無の中に没入する。

想像と記憶のセンターが作動している限り、

正しい睡眠は起こらない。心は未だ活動している。

あなたは夢を見続けて、目覚めと眠りの間を彷徨うことになる。

アーサナは身体のためにあり、睡眠は心のためにある。

正しい睡眠ができないと、人は病気になってしまう。

⑤記憶

記憶は「覚える能力」の中枢である。

知識・技術の習得は、すべてこの中枢によって行われる。

心の無意識層の中には、数多の記憶が貯蔵されている。

記憶がなければ想像できない。睡眠時に夢を見ることもできない。

正しい記憶は、あなたに明晰な判断力をもたらす。

誤った記憶は、あなたをより混乱させる。