ヨーガとは何ぞや?
ヨーガの歴史は5000年とも言われ、その領域を大まかに分けると、
「哲学」「身体」「呼吸」「瞑想」「存在」の五つの分野に分かれます。
ヨーガの目的は「心の作用を止滅させること」と定義され、その段階として八つのステージが定められています。最終目標は身体ではなく、心なのです。
アイアンガーヨガ、ラージャヨガ、クリパルヨガ、パワーヨガ、アシュタンガヨガなど今日のヨガの多くは「ハタ・ヨーガ」に分類されます。
良くも悪くも、ハタ・ヨーガは「身体」と「呼吸」に特化したものです。そして誤解を恐れずに言えば、本来の伝統的なヨーガは途絶えてしまったと言えます。
ヨーガの創始者はパタンジャリですが、
ハタ・ヨーガの実質的な創始者はクリシュナマチャリア氏(1888~1989)です。
シルシ・アーサナ(逆立ちのポーズ)をはじめ、今日のアーサナ(ポーズ)のほとんどは氏が考案したものです。なので「創られた伝統」と揶揄されることもあります。
氏のメソッドはやがて同国のパタビジョイス、アイアンガーの両氏に受け継がれ、両氏の努力によって世界中に知られるようになりました。
しかし、彼らは光明を得たマスターではありません。日本の空海、中国の老子、インドの仏陀、チベットのミラレパのような悟りを開いた人物ではないのです。
「瞑想」と「存在」は非常に深遠な分野です。
残念ながら、独学でどうにかなる分野ではありません。
ラマナ・マハルシ、ジッドゥ・クリシュナムルティ、OSHO・ラジニーシなど光明を得たマスターたちの助けが、どうしても必要となってしまいます。
仏陀の法句経、竜樹の般若心経、道元の正法眼蔵など彼らが残した聖典は、21世紀となった現在もなお、多くの人々の心を惹き付けています。
既に彼らはこの世を去ってしまいましたが、彼らが残した足跡はこれからも私たちにより深い洞察と、より多くのインスピレーションを与えてくれるでしょう。